院長コラムCOLUMN

魚の骨が刺さった

2023年10月24日

皆様、初めまして。

 

おおにし耳鼻咽喉科院長の大西俊範です。

 

当院のホームページをご覧いただき有難うございます。

開院して約1か月が経ち、少し落ち着いてきたところで、院長コラムを始めてみました。

ここでは、耳鼻科の病気のことや日常感じることなどを書いていこうと思います。温かく見守っていただければと思います。


初回は魚骨異物についての話です。

 

「魚の骨が喉に刺さった」というのを、我々は魚骨異物と呼んでいます。

魚骨異物で受診される患者さんは意外と多く、小さいお子さんから大人の方まで年齢層も幅広いです。魚の骨もイワシやウナギなど小さいものからタイなど大きいものまで様々です。

魚の骨が喉に刺さったとき、「ご飯などを丸呑みして骨を取ろう」と教えられたり、聞いたりしたこともあるかと思いますが、お勧めはしていません。というより、絶対にしないで下さい!!

なぜかというと、刺さった骨がさらに押し込まれて奥深くに入ってしまったり、万が一取れたとしても食道などの薄い粘膜に刺さってしまうこともあるからです。そこから感染を起こして痛みや熱がでて重篤な状態になることもあります。怖いですよねー。ですので、絶対にご飯を丸呑みしないで下さい。

 

では、もし魚の骨が喉に刺さったとしたら、どうしたらよいのでしょうか。

自分で無理に取ろうとはせずに、耳鼻科を受診してください。夜遅くとかで病院が開いていないときは翌朝まで待ってみて、それでもまだ喉が痛いな、と思うときはまだ刺さっていることが多いですので、受診をしてください。

 

次に大事なのは、骨がどこに刺さっているかです。

扁桃(のどちんこの横)の表側に刺さっていれば、口を開けてもらったらすぐに取れることがほとんどです。ただし、口の中に指や物を少し入れられるだけで反射がでてしまう方は、観察が難しく処置もできないこともあります。扁桃の裏や喉の奥のほうに刺さっていると、鼻から細いファイバーを入れて喉の奥を観察しながら骨を取ることもあります。

細い骨の場合は、粘膜の隙間に隠れてしまいすぐに発見することが難しいことがあります。

時間もかかってしまうことがあり、しんどい思いをさせてしまう事もありますが、骨が刺さったままだと痛みも取れませんので、お互い頑張りましょう。

 

先日、長女(6歳)が魚を食べていたら、「喉が痛い!」と言い出したので、「えー、ちゃんと骨取ったけどなー」と思って口の中を見たら、ありました。ちゃんと扁桃に細い骨が刺さっていました(笑)。キャンプ用のヘッドライトで照らしながら、舌を押さえて、骨抜きのピンセットで取りました。長女も痛みが取れたのか、「お父さん、すごい!」と初めてお医者さんとして認識してくれて、興奮して抱きついて喜んでくれましたが、次の日には普段の塩対応に戻っていました(笑)。

あ、皆様はマネしないでくださいね。

 

魚の骨が刺さったときは耳鼻科を受診してくださいね。